カダクランの人々を愛される主

献呈されたカダクラン語聖書ー旧約2巻、新約1巻のセットになっており、装丁にはカダクランの人々が大切にしているものが使われている

聖書を読む会総主事 島先克臣

 私は福田崇宣教師より依頼されて山岳州に向かいカダクラン語聖書の献呈式に出席し、そのプログラムの一つである聖書セミナーで「聖書を読む会」の英語手引、「救いの基礎」と「神のご計画」をみなさんに紹介しました。

 カダクラン語への聖書翻訳は福田師家族が1977年にカダクラン村に入って始め、その後多くの働き人によって完成しました。この度のカダクラン語聖書の完成に、関わった多くの人々は感慨無量だったことでしょう。

 2月14日(土)に持たれた聖書献呈式は入場行進で始まりました。カダクラン中等学校のバンドを先頭に警察や軍関係者、そして翻訳関係者が続きました。多くの方々の挨拶と新しい聖書の朗読、諸教会のさまざまな出し物が披露されました。諸教会はもちろん村人全体の喜びが伝わってくる献呈式でした。

 翌日の15日(日)の午後には村の超教派フェローシップに出席しました。そこで知ったのですが、宣教師たちは聖書翻訳だけではなく、村の水道や道路などのインフラ改善に加え、小中学校教育のためにも尽力したそうです。イエス様はみことばを伝えただけではなく、貧しい人を顧み、飢えた者にパンを与え、病む者をいやしました。そして、それにならうように山上で教え、その教えを守る弟子を世界中に作りなさいとおっしゃいました。それは、主イエスが私たちの魂だけではなく体と生活も愛し、聖霊により弟子たちをとおしてこの世界をご自身の愛で満たそうとされているからなのです。宣教師たちはみことばを翻訳しただけではなく、みことばに従って村の生活向上のためにも尽力したわけです。

 2月18日(水)に行われた聖書セミナーでは、聖書が自分たちの言葉で与えられた今、みことばに聞くだけでなく、そのみことばに従っていく生活を築いていっていただきたいとお勧めしました。

小学校のオープンジムで行われた聖書セミナーの様子。聖書の引用個所はすべてカダクラン語で朗読された。

 今回のカダクラン語聖書献呈式プログラムでは、カダクランの人々の魂だけではなく生活全体を愛される主のお働きを見せていただき、主の御名をあがめたことです。

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福田崇(宣教協力・聖書活用)

 50年にわたるカダクランとの関りの集大成となる、カダクラン語聖書献呈式に向けて現地のバーリグ聖書協会などと準備を進めました。ところが、私は出発前日に高熱が出て、出発の朝に病院で念のため診察を受けたところ、一週間の入院と告げられました。そのため、献呈式参加は幻となってしまいました。

 晴れない心で読んだ朝のデボーションのみことばは、詩編111:1でした。「ハレルヤ!私は心を尽くして主に感謝をささげよう。」(聖書 新改訳2017)その通り、心からの感謝を捧げました。感謝が溢れてきました。

 結局2週間の入院になりましたが、リトリートのようでした。献呈式で、約千名の村人が起立して、カダクラン語での聖書の朗読を聴いたそうですが、主はすばらしいです。


<東ボントク語(バーリグ、カダクラン、リアス)聖書翻訳プロジェクトの歩み>

1970年代 バーリグ、リアス、カダクランの3地区をカバーする東ボントク語聖書翻訳プロジェクト開始。1977年に福田宣教師夫妻(カダクラン地区)、1984年に虎川宣教師(バーリグ地区)がプロジェクトに加わる。

2003年 バーリグ聖書協会(現地団体)設立

2004年 バーリグ語新約聖書が完成。献呈式

2020年 バーリグ聖書協会がカダクラン語新約聖書翻訳プロジェクトを開始。

2022年 バーリグ語聖書献呈式。全テキストをオンラインに。

2026年2月 カダクラン語聖書完成、献呈式

 バーリグ地区(約2千人)、カダクラン地区(約2千人)に母語の聖書が届けられる。

『聖書ほんやく』278号 2026年4月1日発行 掲載記事