神様が進められる聖書翻訳宣教 ~メラメラ語新約聖書献呈式報告~

  「世界には、おそらく非常に多くの種類のことばがあるでしょうが、意味のないことばは一つもありません。それで、もし私がそのことばの意味を知らなければ、私はそれを話す人にとって外国人であり、それを話す人も私には外国人となるでしょう。」(Ⅰコリント 14:10,11 聖書 新改訳2017)

スコールの中、伝統衣装を身にまとった人に先導され、
メラメラ語新約聖書が献呈式会場に運ばれた。
 2024年4月7日(日)、パプアニューギニア(PNG)西ニューブリテン州ノアウ村。朝からスコールが断続的に降る中、メラメラ語新約聖書献呈式が持たれました。大人から小さな子ども達まで大勢のメラメラの人々と、この働きに関わって来たウィクリフ宣教師とその関係者が、共に喜びを分かち合い、主に感謝の礼拝をささげました。メラメラ語聖書翻訳プロジェクトは、日本から派遣された大鍔秀樹・正枝宣教師が1988年にスタートし、2001年に帰国するまでに新約聖書の初稿(下訳)をはじめ、聖書物語、文法に関する論文、識字教育教材などを作成しました。その後10年間の中断を経て、2011年に韓国から派遣されたホワン宣教師夫妻がその働きを再開し、さらに10数年をかけてついに新約聖書が完成しました。翻訳開始から実に36年。現地PNGで大鍔宣教師家族とホワン宣教師家族のどちらとも共に奉仕しその働きに触れて来た者として、メラメラ語新約聖書の完成は非常に感慨深く、その献呈式に立ち会う機会が与えられたことは本当に特別なことでした。翻訳宣教師だけでなく、多くの宣教師の様々な働きが組み合わされ、日本と韓国の教会をはじめ沢山の祈りと支援がささげられてきたことも決して忘れることができません。聖書翻訳の働きは真実なる神様の働きであることを、改めて深く心に覚えます。

ホァン宣教師夫妻とメラメラ語新約聖書を手に
 冒頭のみことばが式の中メラメラ語で朗読され、ジョセフ・ガリア神父が説教しました。神のことばがメラメラ語に翻訳された事がどれ程重要で意味があり、大きな喜びであるかを噛みしめました。

 献呈式のステージの横断幕には、「しかし、主のことばは永遠に立つ」(Ⅰペテロ 1:25 聖書 新改訳2017)とのみことばが掲げられ、メラメラの人々のみことばに対する感謝と、力強い決意が現わされていることが深く印象に残りました。(松丸義也)

『聖書ほんやく』No.273 2024年8月発行 掲載記事