神のことばの上に立つ教会
~聖書翻訳の喜びが形となって~
完成したバトゥ・ブブイ教会の会堂 |
村人たちは自宅に大勢のお客さんを泊め、当日は4つの大きなテントの下で約1000人のお客さんにご馳走をふるまいました。この教会は、アルネ語で「バトゥ・ブブイ(岩山)教会」と改名されました。「ブブイ」とは「山の頂上」のことです。マルクプロテスタント教団が、教会名に各言語グループの言葉を用いるようにと決定したため、初めてアルネ語の教会名になり、人々は大喜びです。かつて私たちが、海岸から徒歩で10時間ほどかけて登ったリリン村とルマソアル村の中間に建てられたこの会堂は、海抜約1000メートルの山頂にあり、名前の通り他の山々を見渡すところに立っています。
人口は2村合わせると1000名弱ですが、町から来た1人の大工さんの指示に従い、村人全員で6年半かけて建てました。今は、木曜に市場が開かれるグダンという所までトラックなどが登れるようになりましたが、そこから約2時間の山道を、村人たちは何百袋というセメントを担いで登り、また砂や砂利も谷川から運びました。そうして壁用のセメントブロックを自分たちで何千個も手作りしました。床用のタイルは、頭に載せて運びました。一回で運べるのは、婦人だと大体10枚ほどです。屋根のトタンや窓ガラスも同じです。数人のチェーンソー隊は、ジャングルで木を伐りだし、板材にしてから男性が村に運びました。会堂建築の最後には、この木材で長椅子も作りました。この6年間、婦人たちは草ぶき屋根の共用台所を作り、毎日、100人以上の働き人のために昼食を料理しました。村人たちの生活は決して豊かではありません。チョウジ(クローブ)やナツメグなどの香辛料を換金作物として収穫して、子どもの学費を得、タロ芋、タピオカ芋、米やいくらかの野菜などで生活する半自給自足の農民です。日曜日には仮の礼拝場で礼拝して、会堂造りに励んできたので、献堂の喜びはひとしおです。
この献堂式の中で「アルネ語オーディオ新約聖書」の献呈式も行われ、その場で各教会にDVDが配られました。また数人の若い人たちはスマホに入れていつでも聴けるようにしました。さらに、昨年9月末に完成した「アルネ語エレミヤ書」の配布も行われました。聖書翻訳者のイモさんとチェナさんは、1300冊をバスで運び、献堂式前日にはセラム島北海岸の6つの教会に配りながら、この村まで旅をしました。横断幕やしおりも準備しました。横断幕は教会近くの村民訓練センターに掲げられました。“Gereja Batu Bubui mere dasare kena Alla Eni Lepataru!” 「バトゥ・ブブイ教会は、神のことばを土台として立つ!」そして、「さあ、エレミヤ書と新約聖書をゲットしよう。そしてオーディオ聖書も。」村々から集まった人々は、エレミヤ書分冊とオーディオ聖書を手に帰って行きました。主は、バトゥ・ブブイ教会の献堂式を、聖書翻訳のためにも2倍、3倍の祝福の機会として用いてくださいました。
『聖書ほんやく』260号掲載