日本ウィクリフ創立50周年感謝会 報告

「神はみこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行なわせてくださる方です。」ピリピ人への手紙 2:13 (新改訳2017)
総主事 松丸嘉也

 去る11月10日(土)、東京のお茶の水クリスチャン・センターで日本ウィクリフ創立50周年感謝会を主の恵みと祝福のうちに持たせていただきました。準備からこの日に至るまでのお祈りを深く感謝いたします。

 「聖書をすべての言語に!」―聖書翻訳宣教への主の呼びかけに応えて、長きに渡ってこの働きのために祈り支援してくださっている方々を始めとして、午前と午後合わせ、延べ320名を超える方々が各地から出席してくださいました。“Go on an Unexpected Journey”(思いを超える旅路を歩み続けよう)というテーマのもと、多くの方々と共に真実な主の守りと導きに感謝と讃美をささげ、新たなチャレンジをいただく時となりました。


冒頭のみことばは、大村裕康委員長(倉敷聖約キリスト教会牧師)の挨拶で語られたものですが、当時高校生であった一人の青年が聖書翻訳宣教に情熱を持ち、神様の呼びかけに応えたことから始まった日本ウィクリフの歩みをも表しています。やがて志を同じくする者同士が出会い、宣教地への派遣に導かれ、具体的な奉仕を伴う歩みとなりました。日本ウィクリフは、欧米以外の国では最初のウィクリフ聖書翻訳協会であり、これ以後、アジア・中南米・アフリカなど多くの国々にウィクリフの働きが拡がりました。現在では、約60ヶ国からのおよそ100団体が世界ウィクリフ同盟を形成しています。

 世界ウィクリフ同盟のカーク・フランクリン総主事、同アジア大洋州地区のサイモン・ワン総主事の挨拶において、またSILインターナショナルのミシェル・ケンモーニ総主事のビデオメッセージにおいてもこのことが語られ、日本の教会がウィクリフを通して聖書翻訳宣教に果たしてきた役割と奉仕の実を喜び、主に感謝しました。そして、これらの奉仕の先にある、「あらゆる民族、言語、国民が主の御座の前に立ち、共に礼拝をささげる日」が来ることを楽しみにしていきたいと願って止みません。

 鳥羽季義・イングリット宣教師へのインタビューでは、聖書翻訳への導き、奉仕を通しての恵み、そして次の世代である若い人達へのチャレンジが熱く語られました。

 また阿部紀美子宣教師の証を通して、大きな困難の中でも主の守りと備えと励ましがあり、全てを益と変えてくださる神様をほめたたえました。

 第一部は、塚田献師のリードにより「主の栄光だけが光り輝くように」との讃美で始まりました。第二部では、横山大輔・和子夫妻が「主の恵みはとこしえまで、感謝しよう」を日本ウィクリフ宣教師が携わっているいくつかの言語で歌い、最後には、会衆一同で「その日全世界が、主の御名高く掲げる」と私たちの希望と目標をもって讃美をささげました。

 オーストラリア・ウィクリフ次期総主事のマックス・サール宣教師からは、使徒の働き1章8節のみことばを通して、“Next 50 years”(次の50年を目ざして)というメッセージが語られました。タラント(マタイ25章)とミナ(ルカ19章)、盛大な宴会のたとえ(ルカ14章)から力強いチャレンジ――「次の50年、日本がどんな困難に遭おうとも、主の民と教会にどんな妨げが投げかけられようとも、大胆で冒険的(積極的)な信仰を持ち続けなさい」――がありました。それは、あなたの賜物を十分に活かし、自分の居心地の良い場所から飛び出し、『予期せぬ人生の旅』――

つまり主に従う時、主は私たちの思いをはるかに超えた祝福をくださるという信仰の歩み――を進み続けようというチャレンジです。ここから私たち日本ウィクリフの新しい50年の歩みが始まるのです。

 この50周年感謝会を通して繰り返し語られた印象的なキーワードは、『謙遜・従順・忍耐』であったことも決して忘れてはならないでしょう。改めて、これらを深く心に刻みつけていきたいと願っています。

 主よ、感謝します。日本の教会に注がれたあなたの恵みと祝福を心から感謝します。パウロがコリントの教会に書いています。『神の恵みによって、私は今の私になりました。私はほかのすべての使徒たちよりも多く働きました。・・・しかし、働いたのは私ではなく、私とともにあった神の恵みなのです。』
50年の歩みを重ねた日本ウィクリフは、主の恵みによって今日を迎えました。日本の教会も乏しい中から経済的な支援を惜しまず、執り成しの祈りをしてくださいました。主よ、感謝します。派遣された働き人も、懸命に働いてきました。しかし全てはあなたが、あなたの恵みがしてくださったことです。すべての栄光をお取りください。イエスさまの尊いお名前によりお祈りします。アーメン。(感謝の祈り:福田崇 元世界ウィクリフ同盟霊的大使)
『聖書ほんやく』No.256 2018年12月1日発行 掲載記事