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500番目の新約聖書、福田崇

今年の3月18日、南アメリカにあるスリナムのパラマリボ市に約1千名の人々が集まり、ジャワ人のための新約聖書の完成を主に感謝するために祝いました。この聖書は、ウィクリフ聖書翻訳協会がカメロン・タウンゼントによる働きをスタートして以来、60年かかって到達した500番目の新約聖書にあたります。野外で開催されたこの感謝会には、多くのジャワ人のクリスチャンが参加しました。政府の代表、各教会の代表、第1刷5000部を印刷したバイブルリーグ(聖書連盟)の代表、アメリカやカナダのウィクリフの代表などが参列しました。アメリカ地区の責任者、アンダーウッドさんは、次のように述べました。

「このプロジェクトは、20年間にわたる神の恵みの証です。このプロジェクトは、 多くの喜びの時、悲しみの時を経て成されてきました。健康の時と病気の時、 眠れない 夜と主の内に憩う夜、成功と失敗。しかしそれらすべての中で、 主は真実でした。今日、私た ちは主の御真実と恵みに感謝しています。 この新約聖書の完成を喜び、主の御栄光のために献げます。」

礼拝の時が持たれました。ジャワ人のクリスチャンがギター、ドラム、キーボードにより讃美をリードし、続いて伝統的な踊りによる主へ献げる踊りがありました。スリナムに住むジャワ人は、1890年から1939年の間にインドネシアからオランダ政府により移住させられたプランテーション労働者の子孫で、現在6万人が住んでいます。

ジャワ人の牧師、アントン・シサル師に指導される何人かのジャワ人の翻訳者たちが主として翻訳をし、ウィクリフのスペイヤー夫妻がコンサルタントとして奉仕しました。まずアルファベットを制定し、識字教育の教科書や聖書物語を出版し、ジャバ人のクリスチャンに読み書きを教えました。

スベイヤー夫妻が、シサル牧師に新約聖書を手渡しながら、言いました。「私たちはこの日を、20年間待ってきました。主が一番喜んでおられるでしょう。主の御言葉ですから。」シサル牧師は答えました。「すべての栄光は主に。私たちは主の働き人です。神が私たちを選び、用いて下さいました。」 シサル牧師は、「この新約聖書が、この国の霊的な必要に応えることができますように。」と言いながら、新約聖書をスリナム政府の文部大臣に手渡ししました。すると文部大臣は、「それぞれの世代が、聖書により霊的な糧を得るように」、と言いながら年輩の夫婦と、二人の子供に新約聖書をプレゼントしました。ジャワ人のクリスチャンは、近年大きな主の働きを見てきています。ある一つの教派だけでも、20年前には、数十人であったのに今では、1千名を越えています。この新約聖書の出版により、さらに教会が成長するように期待されています。

ウィクリフは、1千を越えるプロジェクトを世界中で展開しています。しかし、まだ2億5千万人以上が自分の母語で聖書を読めません。アンダーウッドさんは、次のように感謝会の最後に述べました。

「500と言う数は、すばらしい数です。しかし、ぜひ祈って下さい。 世界中の3千の言語が、皆さんが今日お祝いしているように、 自分の言葉で聖書が翻訳されて、お祝いすることができますように。」

『聖書ほんやく』、199号掲載